Q:電話番号を読み上げるときに、「0」を「ゼロ」と読んだら注意されました。なぜでしょうか。
Q:念电话号码时我把「0」读成「ゼロ」,被别人提醒这是错的。为什么呢?
A:「ゼロ」が英語から取り入れた外来語であり、「イチ、ニ、サン…」などとは異なるからです。
A:这是因为「ゼロ」是英语的外来语,与「イチ、ニ、サン…」这些不同。
解说:
日本語には、数字を表すことばとしておもに2つの系統の言い方があります。
在日语中用来表示数字的说法主要有两种。
ヒトツ、フタツ、ミッツ…
これは、日本で古くから使われている「やまとことば(和語)」の言い方です。
这种是从古代日本开始就使用至今的和语说法。
イチ、ニ、サン…
これは、昔の日本人が、当時の中国の発音での「一、二、三」を日本語に取り入れたものです(漢語)。「零[レイ]」も、この漢語にあたります。
这种是过去的日本人根据当时中国的数字发音“一、二、三”音读成日语的汉语发音。零[レイ]也是汉语发音。
数を数えるのにあたって、日本語では和語と漢語という2つのものを伝統的に使ってきたのですが、ある時期に英語から「ゼロ」という言い方がもたらされました。これはおそらく明治時代で、今から100年ちょっと前のことだと思います。和語・漢語の数え方に比べれば、歴史として浅いものです。
在传统日语中,数数时一般就用和语和汉语这两种,但从某个时期开始有了从英文演变而来的「ゼロ(zero)」这一说法。这恐怕是在距今大约一百多年前明治时期的事情。所以它与和语和汉语相比,历史尚浅。
「イチ、ニ、スリー」と言ったら非常におかしく聞こえるのと同じように、「0」のところだけ歴史の浅い英語からの外来語「ゼロ」を使うのはあまり好ましくない、という理由から、数字を読み上げるときなどは「ゼロ」を使わず「レイ」と言うようにしているのです。
就像说「1、2、three」听起来会很奇怪一样,如果仅仅是在说“0”的时候用历史尚浅的英语外来语「ゼロ(zero)」就不太合适。所以在读数字时不使用「ゼロ」而使用「レイ」这个读法。
ただし、「ゼロ」という発音は「レイ」に比べて強く響くような印象もあるため、「無い」ということを強調する場合には、放送で「ゼロ」を使うこともあります。
只是,「ゼロ」的读音有着比「レイ」的读音更响亮的印象,所以电视节目中为了强调“无”的时候也会使用「ゼロ」这个读音。
事故ゼロ 海抜ゼロメートル地帯 欠席者ゼロ
无事故 零海拔地带 无缺席
このように、「ゼロ」が使われるのは「まったく無い」という意味の場合です。「午前零時」を「午前ゼロ時」と言わないのは、この場合に「(あるものごとが)あるかどうか」ということを問題にしているわけではないからです。電話番号や郵便番号などを読み上げるときに「ゼロ」を使わないのは、こういったこととも関係があります。
像上面的例子这样,「ゼロ」用于强调“完全没有”的场合。「午前零時」不说成「午前ゼロ時」,是因为这里没有“到底有还是没有”的问题。在读电话号码或是邮政编号的时候不使用「ゼロ」也是因为这个原因。
文章来源:NHK放送文化研究所
文章翻译:知诸学院 四季
本文为知诸学院原创,转载请注明出处。