皆さんは、誰かに呼びかける時に「君(きみ)」という言葉を使いますか?
大家在和别人打招呼的时候会使用“君(きみ kimi)”这个词吗?
私は日常生活で誰かを「君」と呼ぶ機会はないのですが、映画や歌詞、小説などでは頻繁に使われている印象を受けます。2016年に大ヒットした映画『君の名は。』は社会現象にまでなりましたね。
在日常生活中,其实很少有机会使用“君(きみ kimi)”,但在电影、歌词、小说中“君”被频繁地使用。最近大家印象最深刻的应该是2016年大热动画电影——君の名は(你的名字)吧。
最近、タイトルに「君」が入った映画って多くないですか? 気のせい?
大家有没有发现,日本很多电影标题里都用了“君”字?
1955年〜2016年の映画タイトルを調べてみた
于是我们调查了1955年~2016年电影的名字。
まずは、日本最大級の映画データベース「KINENOTE」で、「君(きみ)」が入っている映画を検索してみました。
首先在日本最大的电影数据库中搜索含有“君”的电影。
すると……、
结果如下:
1955年〜2016年に、199もの映画で「君(きみ)」が使われていることがわかりました。
从1955年到2016年,共有多达199部电影名字中使用了“君”。
次に、タイトルに「君(きみ)」を含む映画の、年ごとの割合を出してみましょう。計算式は次の通り。
接着我们计算了每年名字中含有“君”的电影所占的比例。计算公式如下:
タイトルに「君/きみ」が入る映画の数÷年ごとの映画公開本数×100
名字中含有“君“的电影数量÷每年上映的电影总数×100
はたして結果は……!?
结果究竟怎样呢?
期待したほど大きな差はありませんでしたが、2005年を過ぎた頃から少し多くなっていますね。
和预想的差不多,从2005年开始这个比例有明显上升。
映画『君の名は。』で「君」は何回使われているか?
电影“你的名字”中,“君”被用了多少次?
今度は、タイトルではなく、作中のセリフで何回「君」が使われているのかを調査してみます。
我们还调查了一下除了标题以外,电影台词中“君”一共被使用了多次。
去年大ヒットし社会現象にまでなった『君の名は。』のDVDを借りてきて、「君」の使用回数を数えてみました。
以《你的名字》为例,台词中“君”的使用情况如下:
●瀧(男)→三葉(女) 4回
●三葉(女)→瀧(男) 4回
●奥寺先輩(女)→瀧(男) 2回
結論から言うと、「君」が使われた回数は10回だけでした。内訳は男性から女性に対して4回、女性から男性に対して6回。わずかな差ですが、作中では女性から男性に使う回数の方が多いです。
从结果上来开,“君“仅仅被使用了十次。其中男性对女性用了4次,女性对男性用了6次。虽然差别不大,但在电影中女性对男性使用的频率更高些。
ちなみに『日本国語大辞典』によると、「君」は次のように説明されています。
另外, 《日本国语大辞典》中对于“君”有着这样的说明:
上代では、女性が男性に対して用いる場合が多いが、男同士、女同士の間で用いた例も見られる。中古以降は男女とも用いた。現代語では、同等または目下の相手をさす男性語。
在奈良时代,大多数情况下是女性对男性使用,但是男人之间,女人之间有时也会使用。平安时代以后男性女性均可以使用。在现代日语中则是对同辈或者下级使用的男性用语。
君は「男性語」という扱いなんですね。知りませんでした!
“君”原来是男性用语!
明治〜昭和初期における「君」の印象
在明治~ 昭和初期对于“君”的印象
川村学園女子大学・日本文化学科で学科長をされている長崎靖子氏著の論文『人称代名詞「僕」「君」の変遷』によると、明治に入ると、「僕」「君」は小説、雑誌、新聞などに数多く見られるようになる。
川村学院女子大学日本文化学科的院长崎靖子在论文《人称代词僕和君的变迁》中指出:进入明治时代以后,「僕」「君」这两个词经常出现在小说、杂志、报纸中。
現代における「君」の印象
在现代对“君”的印象
それでは現代ではどうなのでしょうか?
那么在现代,日本人对“君”又有什么样的印象呢?
男性から女性に対しての使用に関しては、
从网络调查可以发现,女性不是很喜欢被男性称作“君”。
●彼氏から「君」って呼ばれるのが嫌です
不喜欢男朋友用“君“来称呼自己。
●見下されている感じがする。
感觉自己被轻视。
などの否定的な意見が多く見られました。
逆に、女性から男性に対しての「君」の使用については、下記の通り。
反过来,男性也不太喜欢被女性称作“君”。
●なんか見下している感じ
感觉被轻视。
●上司ならまだしも、対等な関係で使うのは失礼
如果是上司的话还好说,对等关系中使用“君”是不礼貌的。
など、同じく否定的な意見が多くありました。
まとめ
总结
言葉は、時代背景や相手との関係性、文脈でさまざまに意味が変化します。「君」という二人称を実際使ってみてどういう印象になるかは、話し手の性格や相手との関係性、文脈に左右されると言えるでしょう。
语言和时代背景、人物关系、语境有着密切联系,因此在句子中的含义也不尽相同。第二人称“君(kimi)”会给人带来什么样的印象,是由说话人的性格、两人的关系、语境等来决定的。
みなさんは「君」についてどう思いますか?
大家对于“君“有什么样的看法呢?
本译文由知诸学院原创。翻译:好好学习的kunkun